【Q&A】交通事故の慰謝料について


 交通事故にあいましたが、慰謝料をどうやって計算すればよいのか、わからずに困っています。

また、弁護士を雇うとして、どのくらい慰謝料の金額が増額されるのか、弁護士費用がどのくらいかかるのかについても教えてください。
交通事故にあって、警察にも連絡をして、状況証拠をとってもらいました。加害者は任意保険に入っていたので、損害賠償はしっかりと支払われるでしょう。しかし、慰謝料の金額については、ごまかされることがあると聞きました。交通事故の慰謝料の相場を知るためには、どうすればよいでしょうか?また、弁護士を雇うと、どのくらい慰謝料を増額できるのかについても知りたいです。弁護士費用のほうが高くつくということもあるのでしょうか?成功報酬のほかに、着手金がかかる場合には、費用のほうが高くつくのではないかと心配です。まだ保険会社との示談にはなっていませんが、早い段階で弁護士を雇っておくべきでしょうか?保険会社と示談交渉をしてみて、金額に納得ができたら弁護士を雇わなくてもよいのか、それともきちんと弁護士に相談をしておくべきなのか、教えていただきたいです。
後遺障害などは残らないと思われるので、慰謝料の金額はそれほど高額にはならないと思われます。交通事故にあった場合の、慰謝料の金額の計算方法を教えていただきたいです。弁護士費用についても相場を教えていただけたら幸いです。

弁護士としての助言

1 傷害の慰謝料
弁護士は,通常,傷害の入通院慰謝料を算定する場合,日弁連交通事故相談センターが出版している,通称「赤い本」を基準に入院慰謝料の基準を算定しています。この表は二つに分かれており,「別表1」は通常の怪我の場合であり,「別表2」はむちうち症で他覚症状がない場合の表となっています。横軸に入院の月数,縦軸に通院の月数が書いてあり,例えば,入院3か月で通院5か月という場合は,入院3か月と通院5か月の交わる部分に記載されている204万円が基準となります。しかし,これは,いわば「裁判基準」であり,「弁護士基準」ということで,一般の方が保険会社と交渉した場合,むしろこれより低い金額を提示される場合が多いと思います。したがって,保険会社から金額の提示があったような場合には,一度弁護士に相談した方がよいと思います。そのうえで,弁護士を依頼した方が良いのか,どうなのか,費用も含めて検討してみてください。良心的な弁護士であれば,保険会社から提示のあった額を基準として,これより上積みが予想される金額を基準として,着手金を決め,報酬も当初の提示額より上回った金額を基準に決めてくれると思います。
2 後遺障害の慰謝料
後遺障害の慰謝料の場合,等級によって異なります。一番軽い14級の場合,110万円,重い1級の場合,2800万円というのが赤い本の基準となっています。
なお,1級や2級の障害については,近親者の慰謝料も相当額支払われる場合もあります。
3 弁護士費用について
弁護士費用については,自由化され,各事務所が自由に決められることになっていますので,インターネットなどでよく調べてみてください。