【Q&A】交通事故の示談はそうすればよいのか


 交通事故の被害に遭いましたが、示談をする際に、相手とどう交渉すればよいのかがわかりません。

専門家に頼むのが良いという意見がありますが、自分でやった場合と専門家にお願いした場合には、どのような違いが生じるのでしょうか。
交通事故の被害に遭い、通院費が必要になりました。これは自分で支払っていますが、加害者から当然請求できることはわかっています。ただ、示談をする相手が保険会社になるようで、対応は保険会社がやるようになっています。
そこで疑問があります。保険会社は相当な知識を持っていますし、交渉能力もあるでしょう。そのため、自分自身で保険会社と示談交渉をして、満足的な支払いを取り付けることが可能であるかが疑問です。また、専門家にお願いするとなると費用がかかりますが、どれくらいかかるかも不安です。あまりに高額ですと、自分で交渉をした方が良い気がします。ただ、自分で交渉をすると、専門的な知識を持っている保険会社と満足的な額での示談をまとめることができないような気もします。そのため、この対策をどうすればよいのか、具体的な助言を知りたいと思います。それによって大きな差が出るのであれば、良い方を選択して対応するつもりです。
交通事故の被害によって結構な支払いをしなくてはならなくなったので、なんとか示談で支払いをまとめたいですが、以上の疑問があるので、それぞれについてのアドバイスや助言をもらえたらありがたいので、よろしくお願いします。

 

弁護士としての助言

交通事故において,弁護士など専門家に依頼した方が良いかどうか
(1)車の損傷や怪我が比較的軽い場合
私の個人的な経験で言えば,比較的簡単な修理で直る物損事故や,1か月程度で完治するような人身事故であれば,特に弁護士を入れることなく,こちらにも保険会社がついているのであれば,保険会社同士の話し合いで決めてもらっても良いと思います。
もちろん,納得できない点があれば,はっきりと,とりあえず自分の方の保険会社に意見を伝えてください。また,このような場合にも,一度専門的な弁護士に相談して(相談料1時間1万0800円)、通常,どの程度の保障がなされるのかを聞いておくのも,示談するうえでの一つの目安になると思います。特に,歩行中の怪我などで,こちらに保険会社が入らない場合には,一度は弁護士に相談する必要があると思います。
(2)車の損傷や怪我が比較的重い場合
車両が全損となった場合や,怪我の状態が6か月以上の治療を要し,場合によっては,後遺障害の認定を受ける可能性があるような場合には,弁護士に依頼することをお勧めします。
保険会社の内部では,示談基準があり,相手が一般の個人である場合,弁護士がついている場合,訴訟となった場合によって,支払金額の上限が最初から違っていると聞いたことがあります。裁判の場合は,判決が出れば,保険会社は支払うことになりますが,それ以前の段階ですと,弁護士がついた場合とつかない場合では,明らかに上限の基準が違っていると思われます。したがって,6か月間以上の治療を要するような傷害の場合は,弁護士に委任をして処理した方が良いと思います。最近では,保険契約と同時または追加して,弁護士特約を結び,事故に遭った場合に,保険会社に相当額の範囲まで弁護士費用を負担してもらえる特約もあり,このような依頼者の方が極めて多いというのが実感です。弁護士から見ても,弁護士特約に入っていた方が,万一の場合,多額の費用負担をしないで済みますので,お勧めします。