【Q&A】これって詐欺商法?


どこで調べたのかはわかりませんが,営業の電話がかかってきて,先物取引の説明を一生懸命してくださいました。

しかし、そのような事には、今まで生きてきた中で関わりを持ったこともありませんし、よくわからない内容の話でした。営業の方のお話の中で,先物取引とはどういうものなのかが、いまいち理解できませんでした。お金もうけには興味がありまし、このような電話での案内があるということは、何かのきっかけになるのかもしれない。そのように感じて、私なりに少し調べてみました。すると、「先物取引」とは将来の売買についてあらかじめ現時点で約束をする取引のこと」とのこと。そして、資金効率がとてもいいものだということがわかりました。それらのことから、確約の無い将来の売買について、約束するなんて、お金持ちのギャンブルの様なものを想像してしまいました。実際には手元にはない商そして、騙されたりしないのか、とても不安になります。商品やモノの売買をする約束をすることで、はたして本当に得をするのでしょうか?もし、先物取引を行うとすると、どのような取引が必要になって、どのくらいの費用が最低限あればできるのでしょうか。果たして本当に儲かるのでしょうか。詐欺ではないですか?お金もうけには興味もあるし、たくさんのお金がラクに手に入ることは嬉しいことです。そして、もちろん損だけはしたくありません。「先物取引」を分かりやすく教えていただけると、「先物取引」にチャレンジしやすいです。初心者でもわかる「先物取引」の説明をお願いします。

弁護士としての助言

国内の公設取引所で行われる先物取引は,詐欺ではありません。しかし,明らかに「投資」ではなく,「投機行為」です。いわば一種のギャンブルです。したがって,一般の方が安易に手を出せば,大きな損失を出して終わるのが一般的です。弁護士として,先物取引被害の方々と多く接してきましたが,たとえば「今,OPECが石油の生産調整をしたので,今後,石油は必ず値上がりします」「今,石油を買えば,必ず値上がりして,少ない証拠金を入れてもらえれば,今月の末には5倍程度になります」などという口車に乗せられて,取引を始めると,少ない証拠金で何十倍もの取引をしているため,いったん,少し値下がりしただけで証拠金がなくなり,新たに追加資金を入れなければならないような泥沼に陥ります(商品の価格は,決して右肩上がりに上がっていくことはなく,仮に値上がりする場合も,波を打ちながら上がっていくもので,必ず短期間のうちに下がる場面が生じます。統計では,取引の途中で見ても,8割の方が損をしているという統計があります。私の経験では,一般の方で,一定期間取引をしながら,一定の利益を得たという方に巡り会っていません。利益を得るとしたら,いわゆるプロの方か,機関投資家といわれるような組織的に取引を行っている方だと思います。したがって,あなたのような素人の方が,取引を始めることはドブにお金を捨てるようなものだと思いますので,決して手出しをしないでください。)。
なお,そもそも,こちらの方で頼みもしないのに,いきなり電話をかけて,商品先物取引の勧誘を行うことは,商品先物取引法第214条9号に基づいて禁止されている行為です。これは不招請勧誘の禁止と言われ,いきなり電話により勧誘され,取引を始めてしまい,多額の損失を被る被害が多数発生したことから定められた規定です。
そもそも,このような法令に違反して勧誘を行う会社を信頼して取引をするようなことは,絶対しないでください。