夫の浮気(離婚,浮気相手に慰謝料請求)
- 2014年12月05日
- その他事件の事例, 家族・親族間問題の事例
◆ 事件内容
依頼者(妻)と夫は2年前に結婚した。
1年程前から夫の帰宅が遅くなり,様子もおかしかったことから,依頼者は,夫の就寝中に夫の携帯電話を見た。
すると,女性とのメールがあったことから,依頼者は,夫が浮気をしていることを確信し,興信所に調査を依頼した。
その結果,夫の不倫が発覚したため,依頼者としては,夫と離婚し,浮気相手の女性に損害賠償(慰謝料)を請求したいと,当職に依頼した。
◆ 解決内容
(1)夫に対して
夫に対しては,不貞を理由として,離婚調停を申し立てると同時に離婚成立までの婚姻費用を請求した。
夫が不貞を認めたことから,3回目の調停で離婚が成立した。
その内容は,
① 夫は妻に対し,慰謝料300万円を支払う。
② 財産分与
③ 年金分割についての割合0.5
であった。
また,婚姻費用については,夫から妻に対し,申立時から離婚成立まで,月額7万円の支払が認められた。
(2)不倫相手の女性に対して
不倫相手の女性に対しては,不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起した。
興信所の報告書もあったことから,相手も否定することができず,不倫相手が妻に対し,150万円を支払うということで和解が成立した。
◆ 弁護士のコメント
有名人の離婚の慰謝料の金額などをテレビ等で見聞きしているためか,依頼者の中には,夫が不倫をした場合,多額の慰謝料を請求できるものと思いこんでいる方もいます。
しかし,日本の場合,必ずしも慰謝料の額は高額とは言えず,また,夫の収入にも影響されます。
経験上,夫の不倫による離婚の場合,慰謝料の金額は,通常300万円程度であり,500万円という額になることは,あまりありません。
まして,1000万円以上というような額は,極めてまれです。
但し,有責配偶者(浮気した方)から離婚を求め,調停が不調となった場合は,有責配偶者が離婚の裁判を起こしたとしても,離婚は認められません。
そのため,どうしても離婚したい有責配偶者が,多額の金銭の支払いを条件とすることで,離婚が成立する場合もあります。
また,浮気相手の女性に対する損害賠償請求では,通常,夫婦関係が離婚に至らなかったような場合には,50万円から100万円程度です。
本件のように,浮気の結果,離婚に至ったような場合には,私の経験では,100万円から200万円程度がいわゆる「相場」ではないかと考えています。