少年院送致処分を取り消し


♦ 事件内容

過剰に防衛行為を行い、相手を傷害・死亡に至らせたとして、少年院送致処分を受けた少年について、抗告審においては、「少年の防衛行為は、正当防衛の範囲内であった」として、少年院送致処分を取り消しさせたケース

■ 裁判日付:平成1年9月18日

■ 裁 判 所:東京高等裁判所

 

♦ 解決内容

少年から依頼を受けた事件。

少年は、鉄パイプ等を持った多数の暴走族から一方的に暴行を受け、追跡されながら逃走中、駐車場に通ずる出口のない道路に入り込み、追跡者らに追いつかれた。

そのため、自己の身体を防衛しようと考え、未必の故意をもって、所携のナイフで、追跡者らのうち自己の両肩を掴んだ者1名、次いで、鉄パイプのようなもので自己の頭部付近を殴打した者1名の各左腹部を突き刺し、前者に傷害を負わせ、後者を死亡させた本件殺人未遂及び殺人の各行為は、過剰防衛でなく、正当防衛の範囲内にあると判断された(原審では過剰防衛とされていた。)

その後、幾分の経過はあるものの、最終的には少年院送致が取り消された。