兄弟間での遺産分割協議
- 2014年09月25日
- 家族・親族間問題の事例
♦ 事件の前提
この事件は,6人兄弟の5男が亡くなりましたが,妻子はおらず,両親も亡くなっていたことから,残り5名の兄弟間での相続でした。
相続財産は,2カ所の土地と預貯金であり,土地は適正に売却し,預貯金は引き出して,公平に分配するということで,話はまとまっていました。
しかし,誰が具体的に手続を執るかということになり,私は,相続人の1名から土地の売却や預貯金の引出を依頼されましたが,ほぼ同時に,他の相続人が別の弁護士を依頼しました。
♦ 事件の解決
弁護士同士で話し合いを行い,次の手順で解決をしました。
① 最初に,相続人全員の合意のもと,遺産分割協議書を作成し,全員が署名押印しました。
② この遺産分割協議書に基づき,もう1名の弁護士が預貯金の引出を担当し,私は土地の売却を担当して,現金化しました。
③ このようにして集めた金銭から,諸経費を差引き,各相続人に平等に配分しました。
♦ 弁護士からのコメント
このように,弁護士が入って処理することのメリットは,早期解決が可能であることですが,処理を進めて行くには全員の同意が必要です。
利害の対立が生じたりすると,弁護士として利害相反行為になりかねないため,その点の注意が必要です。
また,相続人全員に,手続がどのように進んでいるかを理解して頂いて,相続人の中に疑問をお持ちの方がいれば十分説明し,疑問を解消して頂き,信頼を得ながら公平に手続を進める必要があります。