離婚調停,離婚訴訟,損害賠償請求訴訟に至らず,当事者の話合いで離婚が成立したケース
- 2017年10月19日
- その他事件の事例, 家族・親族間問題の事例
【事案の内容】
法律相談のご予約をいただいた方は,千葉県千葉市内にお住まいの30代の女性でした。
5年前に夫と結婚し,男の子をひとり授かりました。男の子は当時3歳でした。
御相談者が妊娠した頃から,夫は,帰りが遅くなる,土日に頻繁に出かけるようになる,自宅にいても携帯電話を常に持っていじっている等今までとは違った行動を取り出しました。
このような行動は次第に落ち着いていきましたが,御相談者としては,急な夫の行動の変化が気になっていました。
子育てがひと段落した頃,御相談者が探偵に調査依頼したところ,夫が不倫をしていることが明らかになりました。
夫との離婚を決意し,県民合同法律会計事務所に法律相談のご予約をいただきました。
御相談者のご希望は,以下の通りでした。
① 夫と離婚したい。親権者には自分が指定されたい。慰謝料を支払って欲しい。
② 夫の不倫相手に慰謝料請求したい。
【事案の解決】
まず,夫とその不倫相手の女性に連絡文書を内容証明郵便で送りました。
内容証明郵便で送った連絡文書には,請求金額の他,夫の不倫を知り,御依頼者がどのような気持ちになり,どのように考え,どのように行動したのかを詳細に記載しました。
その後,夫とその不倫相手の女性に個別にお会いし,それぞれの御意向を確認しました。
お会いした際にも,御依頼者が,夫の不倫の事実を知ってから現在に至るまでの経緯をお話しました。
話を聞き終えた後,夫もその不倫相手の女性も,不倫の事実を認め,慰謝料を支払う用意があると話してくれました。
また,夫は,離婚には応じる,親権者は妻に,養育費はいわゆる算定表で起算される金額を支払うと約束してくれました。
慰謝料についても,請求金額に可能な限り近い金額を支払いたいと話してくれました。
御依頼者に報告すると,夫及びその不倫相手の女性と合意書を取り交わして欲しいとのことでした。
御依頼者の御意向に基づき,夫及びその不倫相手の女性と合意書を取り交わし,その後,慰謝料をお支払いいただき,本件は終了しました。
【弁護士のコメント】
離婚をお考えのご夫婦には,さまざまなご事情があります。
非常に稀なケースですが,離婚する段階に至っても,ご夫婦間に信頼関係が残っているケースがあります。
このようなケースでは,非常にスムーズに話合いが進み,離婚協議書が作成される傾向があります。
本件も上記稀なケースに該当するケースでした。
夫は,連絡文書や話合いの中で,不倫した事実を知った妻の苦しみを認識し,理解してくれました。
夫の不倫相手の女性は,御依頼者が請求した慰謝料の満額を支払ってくれましたが,おそらく,その原資は夫が用意したと思われます。
夫が,不倫の事実を認め,真摯に反省し,態度や行動で謝罪意思を示してくれたために,御依頼者も納得してくれたのだと思います。
ご夫婦間に信頼関係があるケースでも,夫の真の反省を促すことができなければ,離婚調停,離婚訴訟,損害賠償請求訴訟等を経ないで離婚することは難しいと思います。
離婚をお考えのご夫婦は,感情的に対立しているのが通常です。
対立関係にあるご夫婦が,当事者の話合いだけで離婚を成立させるのは非常に難しいです。
離婚調停,離婚訴訟,損害賠償請求訴訟等裁判手続は,その手続を行っているということが精神的な負担となり,身体に不調をきたし,体調不良になる方もいらっしゃいます。
また,仕事を休んだり,弁護士を雇ったりと経済的な負担も大きくなります。
可能であれば,離婚調停,離婚訴訟,損害賠償請求訴訟等裁判手続によらずに離婚すべきです。
そのためには,文書や話合いで,夫の真の反省を促すことができるかがポイントになります。
県民合同法律会計事務所は,設立以来35年以上,千葉県の皆様に法律相談いただいてまいりました。
この間,蓄積された法的知識,経験,ノウハウは,きっと,これから法律相談いただく方々のお役に立つはずです。
離婚でお悩みの方はぜひ法律相談のご予約をお取りください。