離婚・婚費(調停)
- 2015年02月18日
- 家族・親族間問題の事例
◆ 事件の内容
(※依頼人に配慮し,幾分事実を省略しています。)
本件は,離婚について,妻の側から依頼を受けた事例です。
① 結婚期間 : 15年
② 子ども : 1人(娘)
③ 夫の職業 : 会社員
④ 妻の職業 : 結婚を機に会社を辞め,その後は一時期パートをしていたが,現在は専業主婦
⑤ 離婚を求める理由 :
夫は,家庭の経済状況を考えずに,自分の趣味にお金を使い,消費者金融などから相当額の借り入れをしている。
最近,夫が浮気(不倫)をしていることが明らかになった上,夫から「以前から好きではなく,離婚したかった」などと言われた。
◆ 事件の解決
既に,依頼人は子供を連れて実家で生活するようになっていましたので,「婚姻費用の分担」と「離婚」の各調停を裁判所に申立てました。
その結果,次のような解決となりました。
① 婚姻費用については,別居時から毎月12万円ずつ振り込まれていましたが,最終的に14万円と決まり,その不足額(6か月分12万円)は調停成立時に支払ってもらうことになりました。
② 養育費については,毎月8万円ずつを,子供が満20歳に達する月まで,支払ってもらうことになりました。また,子供の進学時,病気,事故その他特別の出費が必要となった場合は,夫は応分の負担をすることとしました。
③ 解決金(慰謝料)としては,当初350万円の請求をしておりましたが,一括払いで250万円を支払ってもらうことになりました。
④ 年金分割については,按分割合を0.5と定めました。
なお,本件は,調停申立から成立までは,約7か月を要しました。
◆ 弁護士のコメント
私は,離婚調停申立ての依頼を受けた場合,必ず申立てする以前に,依頼人から詳細に事実関係を聴き取るようにしています。
依頼人からは,結婚に至る経緯,結婚及び結婚後の生活状況などの中で,依頼人が重要な事実と考えていることについて,パソコンあるいは手書きで,時系列ごとにメモを書いてもらっています。
このようにすることで,依頼人本人が、自分自身で過去を振り返り,書面化することにより,この間の夫婦関係を客観的に見直すことができるというメリットがあります。
それと同時に,弁護士も,通り一遍でなく,依頼人のこの間の夫婦関係について、様々な情報を得ることができ,的確な判断をすることができるようになります。
この内容を,本人の「陳述書」として裁判所に提出します。
この「陳述書」を作成することは,依頼人と弁護士の共同作業といっても過言ではありません。
この作業が終われば,あとは弁護士が依頼人の主張を法律的に構成し,申立てを行うことになります。
その後,依頼人は,調停期日に弁護士とともに出頭し,調停委員に考えを述べ,また,調停委員から相手方の考え方を聴くなどして,弁護士と協議しながら,順次問題を整理し,最終的な合意に至ります。
(なお,調停では,希望すれば相手方と同席することは一切ありません。)